現実と幻想のはざま(三改)

日々の中で色々刺激を受けて思ったことや感じたことなどを書いています。あと米津玄師の楽曲MVの解釈と考察など。

米津玄師、新曲「M八七」MVと歌詞の解釈と考察・前編

5/16、一箇所言葉を変更。

ごきげんよう、ゆえのです。

いつも読んで頂いてありがとうございます。

 

昨日映画「シン・ウルトラマン」を観に行ってきまして、前回心配だった、見つけた軸がネタバレに抵触しているか?なんですけど、まあ全然大丈夫っぽくて、ここの部分の考察はガッツリ書いても大丈夫だろうと判断しまして、「M八七」のMVと歌詞の解釈と考察を書いていくことにしました。

 

簡単に感想を書くと、まぁ楽しめました。凄く面白い!訳ではなかったけどつまらなかった訳でもなく普通に面白かったです。ウルトラマンの前知識もほとんど必要ありませんでしたし。

あーでも個人的には引っかかっるところがあって、最後のところで他のことに突っ込み満載になってしまって、最大の目的であるはずの米津さんの主題歌に感情移入できなくて全然感動できませんでした。おまけに、何で主題歌この題名なん!?ってぐるぐるして考えてしまって、帰り道で聴きたくなくって他の楽曲を聴いてました。ちょっとお店に寄って買い物してたらだいぶ余韻が薄れてきたのか聴けるようになりましたが。

そこらへんはネタバレに抵触するので、後日映画の感想をネタバレ込みで書こうかなと思っているので、今回の解釈と考察は前編後編に分けることにします。

前編は、軸と前提条件の解釈と考察になります。後編は、ネタバレ込みの全体的な解釈と考察になります。

 

 

では書いていきます。

今回、軸として定めたのは前回の感想でも書いた、2番のAメロの歌詞から連想した「星の王子さま」です。

>"僕"と花の関係性が、ちょっと「星の王子さま」に出てくる王子とバラの関係性をなぞらえてるのかなということを思いまして

と書きました。そしてもう一つ「星の王子さま」から引用したい言葉があるので、下記のページから抜き書きします。

「星の王子さま」の名言集。幸せを引き寄せる20の言葉 - 星とこノート

 

抜き書きーーーーーー
きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの10万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくてもいい。きみも、べつにぼくがいなくてもいい。きみにとってもぼくは、ほかの10万のキツネとなんの変わりもない。
でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界にひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる......
*****
「遊ぼう」と誘った王子さまに、キツネが断ったときの言葉です。

お互いまだ何も知らないうちは他人同士で、簡単に遊ぶことはできません。だけど、少しずつ会話をして友だちになり、相手のことを理解することで深い仲になっていきます。

一緒に過ごす時間もいつの間にか多くなります。それは「なつく」ことであり「絆を結ぶ」ということ。互いになくてはならない存在になるよ、とキツネは教えてくれます。
ーーーーーーここまで

ここの言葉が、このMVのコメント欄にあった

>ウルトラマンにとって人間なんて、言葉通り星の数ほど居る知的生命体の中のたったひとつでしかなくて、見捨てたって構わない、助ける道理なんて無いに等しい存在なのに、救いたいっていう想いだけで戦ってくれるウルトラマンの姿がかっこよすぎて、そして優しすぎて泣きました…M八七の歌詞とリンクして更に泣きます。

というこちらの感想コメントとリンクしまして、この「星の王子さま」を軸とすることはネタバレに抵触するかも〜ってなって慌てたんですよね。

ちょっと根本的すぎて、映画を見たら全然大丈夫だなって思いましたが。

 

そして前提として、今回のMVの米津さんは映画と同じように、ウルトラマンと融合しているキャラクターとして見ています。

なので、歌詞に出てくる「僕」をウルトラマン、「君」と語りかけているのが人間としてのキャラクターとします。

もう一ついうと、MVの中で鏡越しに二人の米津さんが映っていて、手前の米津さんは奥の米津さんを見ながら佇んでいますが、そちらがウルトラマンで、奥で歌っている米津さんが人間のキャラクターだと考えています。

 

そしてもう一つ前提として、っていうか前提って言っていいのか分からないんですけど、自分が今まで米津さんの楽曲を解釈考察してきた中で、一つ、作詞テクニックではないかと思えるものがありまして。それは米津さん独特のものなのか作詞テクニックの一つとしてポピュラーなものなのかちょっと私には判断できないので、前者だったらあんまり書いてはいけないものかなと思って書いてこなかったことがあります。

でもちょっと、今回はそれを書かないと話が通らないということもあり、申し訳ないんですけど、書かせていただきます。

 

米津さんって時系列の出来事の順番を逆にして歌詞に盛り込むんですよね。例えば時系列で並べるとAの出来事→Bの出来事なんですけど、1番のどこかに出来事Bが入って、2番のどこかや大サビに出来事Aが入る、みたいな感じです。

 

この楽曲の歌詞で言うと、

2番のAメロが、時系列でいうと先に起こった出来事Aで

>いまに枯れる花が 最後に僕へと語りかけた
>「姿見えなくとも 遥か先で見守っている」と

 

1番のAメロが、後に起きた出来事Bということです。

>遥か空の星が ひどく輝いて見えたから
>僕は震えながら その光を追いかけた

 

私はそう考察しています。

軸として「星の王子さま」を定めていますが、「星の王子さま」=「ウルトラマン」だと言っている訳ではなくて、このMVでの米津さんと融合している「ウルトラマン」も星の王子さまと同じように、ある青い花を(MVではカーネーションですが)かけがえのないものとしていた、ということです。

 

上の同じページから抜き書きしておきます。

ーーーーーー

きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ

*****

王子さまは、自分の星で育てていたバラを置き去りに旅立ちました。

地球に降りた王子さまはキツネとの会話から、そのバラがいちばん大切なバラだったことに気づきます。そんな王子さまに対してキツネが言ったセリフです。

「バラのために費やした時間」とは。
これは、どんなにつまらないことも、我慢してやったことも、それは意思疎通があって共に過ごしてきた大切な時間だと、そのようにキツネは言っているのでしょう。

自分の限られた時間を使い、そこに愛情を注いでいること。気づいていないけど、その繰り返しが、いつしか「かけがえのないもの」に変わっていると思います。

ーーーーーーここまで

 

そしてそのかけがえのない青い花が、歌詞の「いまに枯れる花」であると解釈しました。それが出来事Aです。MVの映像でも一つの閉ざされた空間に米津さんと青い花だけが映っているシーンが該当の歌詞の間ずっと映っていますよね。

 

そして出来事Bが何を指すのかというと、そのかけがえのないものを失った後、「星の王子さま」をなぞらえて考えると、墓標となってしまったその「星」に居るのが淋しくて、長い時間離れてしまっていたのではないかと考察しました。

>遥か空の星が ひどく輝いて見えたから

>僕は震えながら その光を追いかけた

というのは、感想にも書きましたがその「星」が爆発してしまったことで、かけがえのないものがもう一つあったことに「ウルトラマン」がやっと気がついた、ということではないかと考えました。

その青い花のために費やした時間を1番近くでずっと見守ってきたのは、その「星」だからです。

まあ憶測にしか過ぎませんけど。

 

そこまで考察して、米津さんが着ている服装を改めて考えてみると、青いピアスは「青い花」をなぞらえていて、長袖の上に半袖を着ているのは人間のキャラクター(長袖)とウルトラマン(半袖)が融合しているのを指していて、全身が黒いのは喪服を類似させているのかなと思いました。

 

映画の中のウルトラマンとはだいぶ違っていますが、MVに沿っての解釈と考察になりますのでご了承ください。

ウルトラマンと人間が絆を結んでいくという根本は同じではないかと思っています。

 

 

後半は、ネタバレ込みの全体的な解釈と考察と、鏡越しの二人の動きが何故リンクしたのか、米津さんが増殖してますが歌っているのは一人だけなのは何故か?とか、後半で米津さんの奥で浮かんでいる岩は何なのか?とかも自分なりにですが考察していこうと思います。

 

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