現実と幻想のはざま(三改)

日々の中で色々刺激を受けて思ったことや感じたことなどを書いています。あと米津玄師の楽曲MVの解釈と考察など。

『武器としての「資本論」』という本

ゆえのです。

いつも読んで頂いてありがとうございます。

年末からの火曜木曜土曜の週3回更新のままの流れできましたが、やっぱり来週から火曜、土曜の週2回更新に戻します。

 

本題に入る前に。

最近周りの人の話してて気まずさを感じる時があって、これは何だろうと思いながら、ネットを徘徊していたらこんなページを見つけました。

「あなたのことは全部わかってる」に感じる違和感とは|野本響子@文筆家&編集者・在マレーシア|note

 

抜き書きーーーー

「自分が世界のメイン・キャラクターだと考えて行動する傾向」は主人公病と呼ばれるそうです。
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根っこは同じで「自分を重視し、他人を軽視する」パターン思考です。

*****
「脇役認定」されて、主人公の道具として使われたらたまりませんからね……。

ーーーーーーここまで

ここで書かれている「主人公病」っていうのに、私も陥っている時があるんだなということを考えました。気をつけたいと思います。

 

本題に入ります。武器としての「資本論

武器としての「資本論」

武器としての「資本論」

 

 ツイッターでフォローしている、かぜのたみさんが確かリツイート?されていて、気になったので5月頃に買って読みました。

資本論などほとんど知らなかったんですが、なぜ今の社会が生きにくいか、幸せを感じられないのかとか、が分かった感じがしました。

前回の記事に、「眩い光」の連想で、夜まで明るい日本のことを書きましたが、そこまで働いていることへの疑問?というかそういったものの答えもあるような気がして、この本を思い出したので、紹介しようと思いました。

1回読んだだけではなかなか内容を落とし込むまでいかないのに、放置してあったのでまた読み返したいと思います。

 

目次と他の方の感想で分かりやすく書かれていた文章を掲載しておきます。

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1.本書はどんな『資本論』入門なのか
2.資本主義社会とは?万物の「商品化」
3.後腐れのない共同体外の原理「無縁」――商品の起源
4.新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」――「包摂」とは何か
5.失わされた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」――魂の「包摂」
6.人生がつまらないのはなぜか
7.すべては資本の増殖のために――「贈与価値」
8.イノベーションはなぜ人を幸せにしないのか――二種類の「剰余価値
9.現代資本主義はどう変化してきたのか――ポスト・フォーディズムという悪夢
10.資本主義はどのようにして始まったのか――「本源的蓄積」
11.引きはがされる私たち――歴史上の「本源的蓄積」
12.「みんなで豊かに」はなれない時代 階級闘争の理論と現実
13.はじまったものは必ず終わる――マルクス階級闘争の理論
14.「こんなものが食えるか!」と言えますか?――階級闘争のアリーナ


【薄々感じている資本体制】
あらゆるモノ、コトが商品化されていく世界、それが資本体制です。

一度商品化されるとそれを提供する側は、利潤を高めるため、無駄を削ぎ落とし効率的に生産しようとします。
もう一つの利潤を高める方法として、労働者を長時間働かせることがありますが、現代ではこれは国際的にできないので生産性を上げるしかありません。
ただ、生産性の上昇が労働者の給料上昇につながるわけではありません。(多少は上がるでしょうが、微々たるものです)それにもかかわらず、労働者はPDCAを回して、生産性を上げようとします。資本側にうまく啓蒙されています。
会社が潰れたらあなた方労働者は困るでしょ。働くところがなくなったら、どうやって暮らしていくのですか?という論法です。

あらゆるモノ、コトが商品化されていく中、何を買うにもするにもお金が必要になってきます。お金を得るため労働者は労働力という商品を提供し買い取ってもらいます。しかし、これが等価交換になっていません。資本の増加分も労働者側が提供しています。つまり、労働者がもらう給料以上に労働力を資本側に提供しているということです。
労働者側にもヒエラルキーがうまくつくられています。
資本側としては、資本の歯車として単純に労働を提供して資本を増やしてもらえばそれでいいのですが、それだけでは資本を増やす分まで働くのは割に合わないと考える労働者も出てきます。そこで、役職という褒美、ヒエラルキーを与えることによって、積極的に資本を増やす活動をする労働者には役職を与えヒエラルキーの上位へ移動させます。これもよくできたシステムです。


なぜ、労働者は労働力を提供しないと食うに困るのか?

労働力の提供以外何も持っていないからです。
完全なフリーな状態なのです。労働力を自由に使える状態なのです。身分制度が無くて自由に仕事を選択できるようになった自由人であり、逆に労働力として大多数を占める存在になってしまいました。圧倒的にフリーな労働者が増えすぎたのです。
資本体制は資本を増えすことだけが目的のため、労働者を豊かにすることは目的ではありません。年貢ではないですが、生かさず殺さずの給料が労働者には与えられるのです。労働者の給料は実際に稼いだお金ではなく、労働者が生きていくことができ、健康的に労働力を再生できる最低レベルに落ち着くのです。そして、モチベーションをあげるために役職ヒエラルキーを設けているのです。

しかも、生産性向上という本来、資本側が担う業務も、役職を与えられた労働者自ら行うようになっているのです。資本を増やす、利潤を高める一つの方法である生産性を上げることも労働者側で実施しているのです。
当たり前にように労働者側で行っていますが、本来、資本を増やす作業であるため、資本側がコントロールして生産性を上げる方策をとらなければならないことですが、完全に洗脳され、労働者側で実施することになっています。

ーーーーーーここまで

 終わり。