ゆえのです。
いつも読んで頂いてありがとうございます。
2/17に予告した通り、米津玄師の新曲「POP SONG」の歌詞解釈と考察をしていきます。
ぶっちゃけ最初のMVを見た時の衝撃が強すぎてやる気なかったんですけども、Twitterで色々考えることがあり、軸を見つけることができたので書いていきます。
私なりの解釈と考察で、これが正解という訳ではありません。
長文です。約5600文字ほどあります。
最初の感想の記事で、私はこんなことを書きました。
米津玄師×PlayStation®︎新CMの発表と見た感想 - 現実と妄想のはざま(改)
>30秒のCMの中に「くだらねぇ」の言葉が2回も入っていて…前から思っていたけど米津さんが歌詞で使う「くだらない」って歌う対象ってとても大事なものっていう意味が強いような気がしてて、今回の言葉も、そういう逆張りの意味で使っているような気がしました。
でもそのあと聴きつづけていると、あれ?「くだらねえ」って、、2回言ってない、なんかチガウコトバに聴こえるんだけど何でだろう?とすっごい疑問に思いました。
でも誰もそんなこと言ってないみたいだし(後で言っている人もいると判明しましたが)え?でもその言葉って言ってもいいの?すっごいデカいタイアップみたいなのにそんな風に歌っているんじゃないか?なんて言っちゃっていいもんなの?とかすごい悩んでいたんですけど、Twitterで意見交換させて頂いていた中で、そこにその言葉があるからこそ、通る軸があることを発見しまして、あ!良いんだなと開き直れたので、そこを軸にして書いていきます。
今は配信のみで公式から出ている歌詞はないみたいなんで、実際には本当にそうかは分かりませんが、私に聴こえている歌詞はこうです。
ーーーー
ワントゥースリーで愛を込めて もう一生遊ぼうぜ
準備してきたもの全てばら撒いて
そうさどうせ何もかも 全部「くたばれ」
君だけの歌歌ってくれ
それもまた全部くだらねえ
ーーーー
この歌詞の状態を軸にしています。でも公式から歌詞が出ても多分該当の箇所は「くだらねえ」になると思います。その時はまあ私の耳が悪いということで。
今回も前提として二つ書いておきたいことがあります。
一つは、「くだらねえ」の意味について。
こちらの記事で、
>そういえば、スピ某所で2017年頃から最強の格言なるものが登場していたなと思い出しました。「面倒くさい、どうでも良い」という言葉なんですけども。
>それと米津さんが言っている「全部くだらねえ」が同じことを指しているように思えました。どっちかというと「どうでも良い」の方ですが。
>意味合いとしては、打ち消しの作用を持つのではないかと私的には感じています。
と書きました。
この楽曲の中に「くだらねえ」は4回出てきます。そして、この言葉はその前のものを打ち消している、として見ています。
二つめは、「愛」の歌詞の定義についてです。
【閲覧注意】米津玄師、新曲「POP SONG」MVの感想 - 現実と妄想のはざま(改)
この記事で、
>「誰でもいいけど君がいいんだよ」
>心の中で思うのは自由だけど口に出したらアウトだろ、と。「誰でもいい」と「君がいい」どっちに重点を置くかということを考えると、「君がいい」に置くと特別な人だということになって「誰でもいい」は成り立たなくなると思うし、「誰でもいい」に重点を置くならそれこそ「君じゃなくてもいい」にしかならないだろうと思います。
>この歌詞はそういう矛盾の歌詞として、この楽曲の中で存在しているのだろうと思いました。
ということを書きました。
上記をなぞらえて考えると、この楽曲には「特別な人との愛=特別な愛」と「特別じゃない愛=(歌詞から引用するなら)ちゃらけた愛」の二種類が存在していると思っています。
そして歌詞で出てくる「愛」の言葉は「特別じゃない愛=ちゃらけた愛」の方がその定義であると捉えています。あ、「愛されたい」はそのまま「愛して欲しい」って要求の意味で。
では「特別な愛」が何の歌詞で表現されているかというと、「君だけの歌歌ってくれ」になると考えていますが、前提1の「くだらねえ」が前に来るか後ろに来るかでこの言葉の意味合いが変化しているので(ややこしい!)そこは随所解釈と考察の中で書いていきます。
そして二つの前提を考えると、この楽曲はシーン的にも物語的にも3つに分かれると思っています。数字を付けておきます。1番2番3番ということではない、です。
前置きが長くなりましたが、以下歌詞の解釈と考察をしていきます。今回は歌詞から80%映像から20%くらいの割合です。
PlayStationとのタイアップ曲ということですが、この記事ではほぼほぼ考慮しておりません。完全に対楽曲のみで解釈と考察をしていっています。ご了承ください。
米津玄師「POP SONG」MV
歌詞抜き書きーーーーーー
(既存のものを私が聴こえている言葉に所々変更しています)
1、
ちゃらけた愛を歌ってるベイビー 煌めいてシックなメロディ
誰も見当たらない 夜がまたひとつ
頭空っぽチープなハーモニー 誰だって愛されたいのに
いらないことばかり 口をつく始末
ーーーーーー
(先に書いておくと、「ちゃらけた愛」も「じゃらけた」と聴こえるように思うんですが、この言葉は私の前提と解釈の都合で「ちゃらけた」に設定しちゃっています。)
「ちゃらけた愛を歌ってるベイビー」は憧れるような女の人で、
「煌めいてシックなメロディ」は、そういう人が歌う、格好良いものとか、そういう光輝くような生き方に憧れるけど、
「誰も見当たらない 夜がまたひとつ」は、そういうものになるためにはどうすればいいかを教えてくれる人は誰もいなくて
「頭空っぽ チープなメロディ」しか歌えない、しょぼい生き方しかできない自分がいて、
「誰だって愛されたいのに」はこんな自分でも愛して欲しいと思っていて、
「いらないことばかり 口をつく始末」は、歌い方?(生き方)を変えるチャンスがあっても天邪鬼な自分が出てきて、うまく生かせないでいるという解釈をしました。
ーーーーーー
どうしちゃったの皆んな そんなツラで見んな
ーーーーーー
それを周りからは変な目で見られていると恐れているのではないかと解釈しました。
上記の歌詞で、「みんな」で韻を踏んでいるところで「見んな」なのか2回目も「皆んな」なのか判断がつかないという意見を見て、自分にはない発想だったのでなるほどと思って意見交換をさせて頂いたんですけど、「道化師」という意味を考えると、この二つが周囲からの自分への目線に気がついているかいないかという視点で考えられるなと思いました。
「見んな」が、気がついている
「皆んな」が、気がついていない
です。酷い言い方をしますが、ここが「皆んな」だとしたら正直滑稽さが増すだろうということを考えました。
そして、「見んな」の方が苦しみは深いだろうということを考えました。
他にも「皆んな」も「見んな」も色々理由を考えることはできるんですけど、ここは「見んな」の方だろうと私は思いました。
ーーーーーー
まともじゃないよあなた方 あー喧々諤々さんざんばば
雨に唄えば なんて晴れやかだ
さぞかし大層楽しかろ はあーれんれんらんらんらっぱっぱばっばー
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まともじゃないのはどっちだ、と返ってきそうな目線に晒されているかのような描写だなと思いました。
「喧々囂々」とは様々な意見が出て、口やかましいことだそうで、
「さんざん」は散々なことが起きた、
「ばば」はそれで言い合いなどをして負けた、ババを引いたということではないかと思いました。
「雨」は涙で、「唄えば」は誰も聞かない叫び声で、
「晴れやか」は、○○○を決意したってことだろうと思いました。
その後はやけになっているのと、決意したことでテンションが高くなっているということかなと、解釈しました。
最後の音の伸ばしている所なんて、どっから声出してんの?と思うくらいの歌声でしたし。
ーーーーーー
ワントゥースリーで愛を込めて もう一生遊ぼうぜ
準備してきたもの全てばら撒いて
そうさどうせ何もかも 全部くたばれ
君だけの歌歌ってくれ
ーーーーーー
この部分の「全部くたばれ」を軸として考えるなら、ぶっちゃけシネ!ってことだと思うので、
「愛を込めて もう一生遊ぼうぜ」は映像のキャラクター的にも完全に皮肉だと思うし、
「準備してきたもの」は今まで生きてきて培った悪意のことだと思うし、
「君だけの歌」は断末魔の叫び声を指していて、
「歌ってくれ」はそれを聞きたいということだろうと思ったんです。
特に映像を見ていると、「全部くたばれ」「君だけの歌歌ってくれ」の所は、動作的に羽ばたこうとしているように見えました。めっちゃ悪い顔してるし。
最初分からなかった時は何でこんなダンスになっているんだろうと思ったんですけど。
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それもまた全部くだらねえ
ーーーーーー
でもそれを「全部くだらねえ」で打ち消している。
最初に出たCMでは違う声でしたが、ここでは米津さんが歌っている。これはとても意味があって、この直前の歌詞を打ち消すために、ここは【米津さんの声でなければならなかった】ということだと解釈しました。
映像でもこの歌詞を境に景色が変わっていますしね。
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2、
だらけた恋がしたいのさレイディ モラリスト呆れるセオリー
嫌なことばかり 春が過ぎていく
猫足のバスタブでフライバイ 飛んじゃったよお茶の子さいさい
唱える呪文は ビビデバビビデブー
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「だらけた恋」は「ちゃらけた愛」と同じ線上にあるものだと思いました。
「春が過ぎていく」はそういった恋の楽しい時間は続かないことを指しているのだと思いました。
間奏最後の「ワントゥースリー」の前に、米津キャラクターとタップダンスをしていた女性と2人で、操り人形みたいに吊られているようなダンスをしてる所があるんですけど、そこ意味深だなと思いました。
他は分かりません。軸に沿って重要だと思う所だけ書いているので。
そして、映像ではまた景色が変わって最初の場所に戻ります。
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3、
我がストーリー 愛の成す通り
生きてたい夢中に 全てが遊びの様に
ーーーーーー
「我がストーリー」は自分の生きてきた人生のことを指していて、
「愛の成す通り」は「愛」の言葉の定義は前提2で「ちゃらけた愛」のことだと書いているので、自分の出生のことを言っているのかなと考えました。
「ちゃらけた愛」の元に生まれて育ってきた、ということです。
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異常にくだらねえよ何もかも
君だけの歌歌ってくれ
ーーーーーー
それが「異常」であることは自分でも分かっていて、それを打ち消して「特別な愛」を求めているということではないかと解釈しました。
映像では、「君だけの歌歌ってくれ」の所で、鳩を、捕まえた兵士から出してるんですけど、最初は道化師だけではなくて、曲芸師や手品師も入っているのかなと思ったりしました(高さのある自転車?に乗ったりしてるし)
てゆーか、何でそこで鳩を出す?って疑問だったのですが、「白い鳩」は愛や平和の象徴とも言われているんですよね。「白い鳩」が「特別な愛」を指しているのかなと解釈して、前提2の「特別な愛」の表現が「君だけの歌歌ってくれ」ではないかと思った由来です。まぁ飛んでいってしまいましたけど。
それを見つめる米津キャラクターが印象的でした。ひょっとしたら生きてきた中のどこかで「特別な愛」が手に入るチャンスがあった、かもしれないみたいな描写で。
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どうかしてる どうかしてる あいつもそいつもみんな変だ
ちょっとついてけない 楽しめない イカれてるエクスタシー
どうかしてる どうかしてる 全てが全部くだらねえんだ
君だけの歌歌ってくれ
ーーーーーー
そして、もう一つ。
映像では、「君だけの歌歌ってくれ」の所で今度は、最初の変身を促した光る不思議な石(CMではプレステのコントローラ)が飛んできます。
ちょっwwwどっから出てきた?ってかどこにいた?ずっと持ってはいなかったよね?とか色々思いましたが、そんなこと分かる訳もなく、物語は進みます。
飛んでいった白い鳩
飛んできた光る不思議な石
この二つは対比になっているのかなと思ったりしました。
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素晴らしいほど馬鹿馬鹿しい
これぞ求めていた人生
君は誰だ 教えてくれよ
どうせ何もないだろう?
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映像では色々と凄いことになってますが、「君は誰だ 教えてくれよ」(特に、教えてくれよ)は、その「不思議な石」に向かって言っているように見えました。
どう考えても米津キャラクターが意図して動かしているものではないし、何らかの力やそれを働かせている存在があるように思えますし。
でも「どうせ何もないだろう?」と期待してはいないんですよね。
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喧しいこと甚だしい
これぞ価値のある人生
誰でもいいけど君がいいんだよ
愛を歌っておくれ
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なので「誰でもいいけど君がいいんだよ 愛を歌っておくれ」の「愛」は「ちゃらけた愛」の方だと解釈しました。
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それもまた 全部くだらねえ
ーーーーーー
だから、最後の「全部くだらねえ」は一回目とは違う、【子供の声】であり、1番幼い声が目立つけど複数の声が重なっているみたいなので、米津キャラクターの今まで生きてきたその年代の声、と言えるのかなと思いました。
そして、自分を助けてくれた?自由にしてくれた、不思議な石を近くの兵士に渡して消える訳です。そのもらった兵士も解放された高揚感に石を高く上げる訳ですが、その時にはもう光ってはいないっていうのがね。また含みがあるように思えました。
以上です。終わり。